校長のメッセージ

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和田 征士

平成17年6月25日

《 免震校舎 》

学校では現在、4階建ての2号館の上に、免震装置を設置する一層を置き、その上に三層(3階分)の普通教室を新に建設する工事が進んでいます。2号館は全部で8階になります。工事期間は、本年(平成17年)3月半ばに着工し、完成予定は来年3月です。4月から新しい校舎が使える予定で進めています。この工事が完成すると現3号館は取り壊し、玄関・前提のあたりをもっと緑が多く、落ち着いた雰囲気の学園になるように整備することになっております。

現在2号館の4階部分までは、旧来どおり、毎日授業が行われています。工事ですから耐えられないような騒音が発生するのではないかと心配していましたが、騒音等では格別の支障がないことにほっとしています。

2号館の南側(前提側)と、北側の部分に既存の柱と一体化する形で、新しい柱を添わせる基礎から4階の上まで、新柱を建築中です。その柱はまもなく完成予定です。

新設された柱は22本程度になるようですが、各柱の頂上部分に、「免震ゴム」を設置します。一個の免震ゴムは円筒形をしていて、直径60cm、高さ約34cm、重さ600kgあります。その免震ゴムの上に鉄骨の構造物を三層分立ち上げ、コンクリートの床を作り、壁・天井を取り付けて工事が進みます。免震ゴムを取り付ける工事は7月の半ばが予定されています。

昨日(6月24日)、「免震ゴム」の完成検査に立ち会ってきました。製作会社は潟uリヂストンです。免震ゴムの構造は、厚さ4mm程度の炭素で強化したゴムの上に鋼板を乗せ、接着剤で接合させたものを、四十数層重ねた構造をしています。

性能試験では震度6程度の力を加えて元に戻した場合、免震ゴムの形が変形するかどうかを試す検査です。垂直方向からは、250トンから300トンの荷重油圧装置で加え、水平方向からも加重した後、復元するかどうかを測定します。垂直方向の荷重250トンは、上に載ることになる鉄骨構造の建物の総重量から一つの免震ゴムにかかる重量を計算して割り出されています。実際に見ましたが、重量を加えても、垂直方向にはほとんど縮むことはありませんでした。係りの人に聴きましたら、縮む大きさは、0.5mm以内ということでした。

一方水平方向の力に対しては、下の写真のようにゆがみますが、加圧をなくすと元に戻ります。

この性能によって、万一地震が起こった場合でも、揺れが小さくなることが分かりました。既存の建物の上に「免震構造」の建物を載せる工事は日本では初めてと聞きました。上に載せた構造物が免震構造になり、下の建物が、耐震処置で補強される工事を伴っています。

日本では初めての取り組みのために、建築許可の段階で、通常の建築確認手続きではなく国土交通省の大臣の直接判断による許可手続きが進められました。

以上免震ゴム製品検査に立ち会った報告です。

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