校長のメッセージ | 53 |
和田 征士 | 平成16年10月15日 |
《 文化祭での模擬授業 パート2 》 去る9月18日、19日に行われました本校文化祭の折りに、主として本校中学校受験予定者を対象にした模擬授業が行われました。下記に示したように、4教科にわたって行われました。学校で行われている授業に出来るだけ近い形で、授業が体験できるようにねらいを設定して2日間にわたって行われました。 11:00~11:30 英 語 小野木先生 12:00~12:50 社会か総合学習林先生 14:00~14:30 国 語 田村先生 15:00~15:30 数 学森先生 前回は、英語、社会を載せましたので、今回は、数学、国語の授業につきまして、授業を行った趣旨について担当した先生に書いて頂きなしたのでそのまま載せます。 模擬授業(数学)今回の授業の趣旨 授業資料.pdf 数学科 森 昭大 題材は、中学から新しく始まる分野ではなく、小学生にもなじみがある、という観点から「数列」を選びました。 数列は、入試問題でもよく扱われる題材のひとつで、1、3、5、7、…のような等差数列、1、2、4、8、…のような等比数列、1、4、9、16、…のようなそれ以外の数列、など、小学生は驚くほどよく知っています。小学校の段階では、次の項が何かを推測できる程度で十分でしょう。しかし、中学・高校では、その推測が正しいかどうかの検証、証明まで要求されます。 今回の模擬授業では、平面分割、円板分割の2つの問題を選びました。平面分割は、規則性を推測しやすい例ですが、推測そのものよりもその規則性が出てくる理由に重点をおきました。小学生にもなるほどとわかってもらえるようスライドや説明を工夫し、また、平易な言葉でゆっくり話すよう心がけました。一方、円板分割は、一見単純な規則性があるように見えますが、実は6項目以降は規則性から外れていく特異な例です。その意外性に驚かせる作戦は概ね成功したようです。 数列のおもしろさ、推測の危険性、そして論証の必要性は伝わったでしょうか。最後にも話しましたが、中学では、図形の性質の証明について勉強するので、この授業が、論証に少しでも関心をもってもらえる機会になれば幸いです。 通常はプリントや板書による授業ですが、30分という限られた時間内に、小学生にとっては難しい内容を伝えるため、今回は特別にPowerPointを用いたプレゼンテーションを行いました。この点をご承知いただければ幸いです。 模擬授業( 国 語 )今回の授業の趣旨 国語科 田村 祐一 今回行った模擬授業は、海城中学校で、行われる国語の授業の一端を約30分程度で、小学生に対してお見せすることが主眼でしたので、国語の授業の中でも、一時間の単元として比較的まとまりのある、知識を充実させる「漢文」の基礎を選びました。海城中学では、国語は、いわゆる現代文の「国語A」と古典の「国語B」に別れますし、小学生になじみがない分、逆に興味を引く点があるかとも考えました。 授業の内容としては、まず、国語の授業としては、現代文と古典があり、古典の中には、日本の昔の文章を扱う「古文」と中国の昔の文章を扱う「漢文」があることを指摘しました。その次に、漢字熟語を取り上げ、その熟語を普通の文に直したとき、どのように漢字の語順が変わるか、生徒諸君(授業参加者)に実際に作業をしてもらい、日本人が中国語を自分なりに読むために、漢字の語順を変えて読んだことに着目してもらいました。例として「日没」は、そのまま「日が没す」と漢字の順番は変えずに文になりますが、「登山」は「(私が)山に登る」と漢字の順が逆転することなどに気づいてもらいました。その後、そのように、語順を変化させるために、返り点を使用すること、返り点には、いくつかの種類、約束があることなどを説明し、@、Aなどの順番が前後した数字を、漢字代わりにして、正しく並べ替えるためにどのように、返り点を使うのかを実践してもらい、ほぼ30分の授業は終了しました。 小学5・6年生の諸君にとっては、ゲーム性のある内容でしたので、それほど無理なく理解してもらえたようです。小学4年生以下の諸君にとっては、漢字そのものがまだあまり身についていないこともあるせいか、やや難解であったかもしれません。両日とも満席になるほど多数の方にお集まりいただけたことに感謝いたします。 |