《 中学1年生「海の家」宿泊行事 》
例年行われています中学校1年生の「海の家」宿泊行事は、夏休みに入って翌日の7月21日から行われました。中学1年生は2クラスずつ3隊に分かれて、それぞれ4泊5日で行われました。全部が終ったのは8月2日です。
海の家は千葉県富浦にある学校の施設で行われます。富浦は館山のひとつ手前の駅です。富浦はビワの産地としても有名ですが、本校の施設は、立地としては大変良い場所にあります。東京湾口にあり、水はとても綺麗です。東京湾に突き出た大房岬の西浜と北浜の両方の海水浴場が利用できます。その為、風向きや波の加減を見てどちらの浜を利用するか決められます。
この行事は1年生全員が参加します。実際に今年も全員が参加しています。入学してきた生徒の中には、海の水に浸かったこともないとか、水泳は「かなづち」で泳げないなどの人もいます。勿論、水泳は好きで泳ぎは得意だという生徒も多くいます。そのように「泳ぐ力」には差があります。海の家に出発する前の7月中に、学校のプールで事前指導があり、その時におおよそのグループ分けが行われます。真水と海水の違いもありますので、生徒一人ひとりについて泳力をよく見て、どのグループに属するかおおよそ決めていきます。
遠 泳
5日間の中で、一番大きなイベントは、4日目に行われる「遠泳」です。沖まで泳いで出て、ぐるっと回って帰ってきます。出発するまでは、期待と不安が入り交じった複雑な気持ちの子もいます。水泳を指導するのは、全員が本校の先生ですから、一人ひとりの泳力もはっきり分かっていますし、性格も把握していますから、決して無理はさせませんが、チャレンジ精神を適当に刺激しながら行われます。60名くらいが遠泳に参加しますが、地元の漁協の応援を頂く漁船が一艘と、学校のモーターボート一艘の計二艘の機関船及び、手漕ぎボートが6艘とが回りを固め、生徒と共に何人もの指導者(先生)が一緒に泳ぎます。この行事には、本校卒業生の実技指導の応援も得ています。生徒は3列になって、一定の間隔を保ちながら泳いでいきます。遠泳の前3日間は、充分に練習していますが、泳いでいる間に何らかの原因で、足がつる子も出ます。そういうアクシデントには、いつでも対応できる体制と人員の余裕を持って臨んでいます。斉田隊長によりますと、過去一度も事故を起こしていないのが誇れることであると語っています。それだけに、生徒も緊張しますが、指導の先生方も、一人ひとりの生徒の状況に関して細心の注意を払っています。先生方も緊張して臨んでいるわけです。砂浜では、本校の養護教諭と看護士(婦)さんが、常時待機しています。学校としては万全の体制で臨んでいます。
この「遠泳」から帰ってきた生徒の顔は、私の目には誇らしげにさえ映り、おそらく「やった!!」と言う成就感が胸一杯に広がっていることと思います。事実、この海の家行事を終わって帰ってきた子どもは、前よりも一回りも二回りも大きくなったように見えたと、多くの保護者から聞いています。
水泳が苦手だった子は
一方、これまで海の水に浸かったこともないとか、金槌と思いこんでいる生徒は、この遠泳の行われる日(始まってから4日目)の行動は次のようなことをします。
遠浅の立ち上がれば足が下の砂に届くような場所で、足を下の砂につけないようにして泳ぎます。これができていますから、海で泳げると言っていいところまでに到達していることになります。期間が終了するまで、当日の午後と翌日の午前の2日ありますから、その間に足が底の砂に届かないところでも、泳げるようになると聞いています。この子たちも出発点からすると、成就感で心がいっぱいになっていることと思います。
遠泳から浜に上がってきた生徒たちを見ていますと、一人ひとりが精一杯の努力をしたことが手に取るように伝わってきます。思わず、こみ上げてくる涙を止めることができませんでした。そんな感慨に浸っている時に、1年学年主任の八塚先生に校長から一言と言われてマイクを渡されましたが、私はただ「おめでとう」としか言えなくて、後の言葉は胸に詰まってしまいました。そんな感動的な場面に立ち会うことができたことを嬉しく思いました。
磯観察
一方この5日間の中には、「磯観察」も行われます。理科生物の先生が指導します。海の家の真下は「磯」になっています。その場所で、シュノーケルを使いながら、生物観察を行います。2時間ほどの間に、捕まえた海の動物の一部は次のようなものです。
棘皮動物のモミジガイ(これはヒトデの仲間)、ニホンクモヒトデ、ムラサキウニ、バフンウニ、コシダカウニ、サンショウウニ(これは珍しいそうです)
ナマコ、タツナミガイ(握り拳くらいの大きさがある)、トビハゼ、イッソクズガニ(この種は、自分の体に海藻をつけていて擬態をしている)、ミスガイ(ウミウシの仲間)などが寮の水槽にいました。海草も含めて他に多くの生き物が観察されました。
また「海の家」には顕微鏡が持ち込まれており、ムラサキウニの受精が観察されました。受精の様子が、例えば受精膜が上がる場面が、顕微鏡をとおして食堂のテレビに直接映し出され、生徒全員で観察したそうです。今後の理科生物の授業に大変役立つと思われます。 以下に海の家の写真を何枚か載せます。
なお、今年の海の家は梅雨が明けきらず、、第一隊は、雨で日程が少し変更になりました。第二隊、第三隊も上天気ではありませんでしたが、目的が達成できなかったと言うことはありませんでした。ただ生徒も先生方も、涼しすぎるなど苦労は多かった海の家でありました。
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1 いよいよ出発だ |
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2 頑張れ!! 遠泳 |
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3 先ず楽しく水に慣れる |
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4 何がいるかなーー磯観察 |
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5 さて成果は? ーー磯観察 |
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6 楽しく食事 |
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