校長のメッセージ  16 和田 征士 平成15年 4月28日
《 高1生・山の家 》

 高等学校1年生の「山の家」行事は、福島県会津・猪苗代方面へ2泊3日の日程で行われました。
 高等学校に入学して間もなくの時期ですが、これからの3年間を見通した場合に、学校に慣れる、友人を多く作るといったことは基礎的ともいえる大事な要素であります。
 本校の場合、海城中学校から進学した生徒に加え、新たに140名近くの高入生が加わっています。高校1年生全員では389名になります。高入生は全体の約1/3くらいを占めますから、新たな人間関係づくりに努力する必要があります、
 山の家の目的は、運動したり、歩いたり、寝食を共にすることなどをとおして、人間関係づくりの基礎ができることを大きなねらいのひとつにしています。ですから参加した生徒一人ひとりが“楽しい”と感ずる行事になるよう生徒自身も引率の先生も心掛けているように見えました。
 大勢の集団活動ですから、一人ひとりが心掛けるべき点も幾つかあるわけです。集合などの時間には遅れてくる生徒は見あたらず、自主的な行動が身に付いていることを感じました。
 3日間の大まかな日程は以下のようになっていました。
 学校近くに集合し、7時半に9台のバスで出発しました。途中2回の休憩を取り、会津・喜多方に昼前に着きました。昼食を含めて自主研修として、グループ毎に蔵の町、ラーメンの町喜多方のあちこちに出かけてゆきました。ラーメン屋をはしごして、最高6杯食べたという強者がいました。
 その後再びバスに乗り、裏磐梯桧原湖経由で宿舎のホテルリステル猪苗代に着きました。
 翌日は、運動と五色沼散策・火山博物館見学をしました。
 三日目は選択コースとして、野口記念館、会津藩校日新館、会津武家屋敷、鶴ヶ城、飯盛山等から選んでそれぞれ見学しました。
 この行程の中で生徒が一番心に残ったのは何かと聞かれれば、二日間にわたる夜のクラス毎のミーティングを挙げる人が多いのではないかと思います。
 九クラスがそれぞれ独自のやり方で、行っていました。
 全クラスが異なるプログラムで取り組んでいるのが印象的でした。 一例を挙げますと、「エンカウンター」と呼ばれる方法で、クラス内で隣席等任意の2人が1組になり、2人の片方が2分間で自己紹介し、次の2分間で他方が自己紹介し、それに続く3分間で2人が話し合う。その内容を用紙に記録する。次に人を変え、前記の7分セットを繰り返す。その次は4人組を作り同じことを行う。このようにして幾つかのグループがお互いを知るようになる。一種の自己紹介ゲームを行っていました。
 また他の例では、上とは別のやり方の自己紹介・質問コーナー、ビンゴゲームなどや、あるクラスは、数学漫談とでも表現できると思いますが、学年の数学担当の先生が、授業には出てこないような数学の話に生徒がじっくり耳を傾けているクラスもあり、またその他の方法でクラスミーティングを行い、クラス数に当たる9通りの展開がありましたが、それぞれにみんなが生き生きと元気に輝いている顔が印象的でした。

 こうしたプログラムをとおして生徒同士、生徒と先生の絆が深まっていくのだなということを実感いたしました。
 この「高1・山の家」の行事をとおして、クラスのまとまり・調和が図られていくことが実感でき、学校に戻って一人ひとりの学習への意欲が漲ってきていることが感じられました。
 1 喜多方のラーメン店
 2 喜多方:蔵の町
 3 夜のクラスミーティング
 4 2日目裏磐梯五色沼
 5 食事:バーベキュー