校長のメッセージ  7 和田 征士 平成14年12月 2日
 《 宛名のない感謝状 》
 放課後の下校途中の出来事であります。
 学校から新大久保の駅までは、歩いて5分程度かかります。ある日の放課後、本校の生徒が帰宅のために学校から新大久保の駅に向かって歩いていました。すると電線が道路上に垂れ下がっていました。それを発見した生徒は危険かも知れないと思い、近くにいたこの付近の住民と思われる人にその事を知らせました。知らせを受けたその人は、生徒の名前をその場で尋ねたようですが、たいしたことではないからと名乗らずにその場を立ち去ったようであります。
 その後、電力会社に電線の垂れ下がっていることを伝え、修理に来た電力会社の担当の話から、大きな事故に発展する可能性があったことが判り、事故を未然に防ぐきっかけを指摘してくれた生徒にお礼が言いたいので探して欲しいとの要請を教頭が受けました。学校では全先生方に伝え、ホームルームで該当の生徒がいたら申し出るように伝えましたが、名乗り出た生徒がおりませんでした。
 その方にはその後、町内会や、本校の向かいにある区立小学校の先生からもこの話題が持ち上がりました。そこで知らせてくれた生徒が判らないけど、近隣の代表として「感謝状」を作成し本校に届けて下さいました。
 その感謝状が今、私の手元にありますが渡すべき相手が判りませんので、このような形でこのホームページに載せることにしました。
 下記に頂いた感謝状の一部を原文のまま載せさせて頂きます。

 「感謝状」

「名前を教えて頂けなかった貴方へ 11月19日に電線の所在主が判明し、修理が完了しました 本当にありがとうございます。 貴方が教えてくれなかったら近隣大停電になっていただろうと、東電の人間も言っておりました。 近頃は自分に関係のないことは無関心になっている人が多い中で、 よく連絡して下さったと、ロッテの工場の人や近隣の人が感心しております。又小学校の先生方もこれで子どもたちが安心と喜んでおられます。時節がら、入学試験等で風邪など引かれません様に、ご健康であられることをお祈り申し上げます。………」と続いております。
 近隣には、生徒・教職員が登下校のたびに通らせて頂くことによって、有形無形の迷惑を及ぼしていると思っております。そういう中で、本校生を暖かく見守って下さる方がおられることを知り、心が温もる思いがいたしました。