校長のメッセージ  5 和田 征士 平成14年11月5日
  9月から月2回のペースで始めましたこの欄は、これで5回目を載せることになります。今回は下記のように高等学校2年生が修学旅行に行きました、その様子と中学校が体育祭を行いましたことを書きます。

《 高等学校修学旅行 》
 高校2年生が今年は沖縄に修学旅行に出かけ無事終了しました。この「無事」に力が籠もるのです。実は昨年も11月下旬に同じ沖縄に行くように計画を進めていました。ところが、9月にアメリカで同時多発テロが発生しました。航空機を使ったテロでしたから、航空機の安全性や、旅行先の安全性に大きな疑問が出ました。そのため、急遽修学旅行先を九州に変更しました。国内であれば、航空機を利用しても大丈夫だとの判断でした。学校としましては、預かっている子どもさんの安全を第一に考える立場であります。
 その後事情は大幅に改善され、今年は空の安全は確保されていると判断しました。
 高校2年生を二つの隊に分けまして、2日ずれて出発しました。私は第二隊とともに羽田から出発しました。沖縄那覇空港に着陸態勢に入り飛行機の車輪がランディングしたそのときに、旅行生から大きな拍手が沸き起こりました。たぶん前年の先輩達が変更を余儀なくされたことを踏まえていて、自らの幸運と、操縦している機長さん初め運行している方々への感謝の気持ちが拍手という形になったものと思いました。
 夕方、第一隊に合流し夕食時に学年主任の目良先生から、校長が同席していることが伝えられると、拍手が起こり、笑顔で迎えてくれました。海城高生の温かさと思いやりが伝わってきました。夕食後、翌日に予定している伊江島での自転車利用による島内見学に、一つのグループの生徒達が、校長先生僕たちと一緒に自転車で回りましょうよと熱心に誘ってくれました。自分との体力差が大き過ぎることを考え、
お礼を述べて断りました、でも大変嬉しく感じました、このときも、思いやりや心の温かさを感じました。これは身内に対する時だけでなく、旅行先で関わった多くの沖縄の人が海城生の行動についてそのことを私に伝えてくれました。
 しおり一つ取り上げても、生徒の筆によるしっかりした文章の中に事前の学習が行き届いていることを感じます。日常の教科の学習だけでなく、学校行事にも全力投球する姿が印象的でした。
 ひめゆりの塔や、平和の礎の前で厳粛な気持ちになり、一方では珊瑚礁の青い海と白い砂浜でマリンスポーツを楽しむ思い出の修学旅行になったと思います。

《 中学校体育祭 》
 雨のため、1週間延期された中学校体育祭が11月2日(土)快晴の青空の下に行われました。
 本校ブラスバンド部による演奏に合わせて、校旗とともに全員による入場行進から体育祭が始まりました。6団に編成された団旗を先頭にした入場です。足並みも揃い、整然とした行進でした。開会式は、開会宣言、校旗・国旗掲揚等型に則って進められました。
 障害物レースでで始まった競技も時間通り順調に進みました。競技内容は、矢切の渡し、パン食い二人三脚、騎馬戦、組み体操リレー等各種目が工夫されています。例えば、騎馬戦は落馬した方が負けになる方式で、開始後一定時間後に落馬しないで残っている馬の数が多い団が勝ちになります。それを各団のトーナメント方式により、団の順位を決めます。落馬するまで戦いますから、危険も多いし、エクサイトした生徒が個人的な暴力に走ることも、考えられますがそういう場面は全く見られませんでした。「新しい紳士」の教育が生徒の行動規範になっている証拠ではないかと、自画自賛に聞こえるかも知れませんが、そう思いました。種目の中には、勿論徒競走もあります。
 その他、組み体操リレーでは、やはりこれも工夫されていました。三人タワー、五人一組の扇、長いレインボーブリッジ、サボテン倒立、三段タワー、等を予選、決勝戦、三位決定戦などでそれぞれの種目の組み合わせが異なります。色別の2団が、所定の位置から「よーいどん」で走り出し、 どちらが先に完全な形に組み上げられるかを競うようになっています。ご存じのように組み体操は事故が多くて体育祭で演技するのを諦める学校が多いと聞きます。その点、本校は生徒の体力も十分に備わっているようで、知、徳、体の調和のとれた発達が出来ていることを実感しました。
 何よりも各競技に自己の持てる力を最大限に発揮するように気持ちを込めて頑張っている中学生の姿に、またそのエネルギーに圧倒されながら、体育祭に臨めたことに感動しました。

写真
A  高校2年生修学旅行
B  高校2年生修学旅行
C  中学校体育祭
D  中学校体育祭