第8回 中学校2年2組 保健体育 高橋 先生
体育って受験に関係ないじゃん
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高橋 徹先生
プロフィール
昭和53年生
本校教諭
高校1年担任補佐
クラブ顧問 野球部
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校長が見た 海城の保健体育授業 |
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保健体育は、進学試験のための所謂受験教科としては一般に考えられていません。
それにもかかわらず、私は体育は学校教育の中で重要な教科であると認識しています。人生80年時代の中にあって、重要なのは、「気力・体力」であります。教科の学力も勿論重要な要素です。学力と気力・体力は車の両輪のごとくであります。両方のかねあいによって仕事ができ、かつ幸せな人生を送ることができると思います。
一方、どこかの学校に行ってその学校の生徒を含めた雰囲気に接するとき、種々のことを感じ取ります。例えば好ましい良好な印象を受けたとすれば、そうした雰囲気を作り出す大きな役割は体育の先生が負っていると私は考えています。生徒の立ち居振る舞いの基本は、知識として知っているだけではなくて、常に行動に表せるように訓練を受けていることが必要です。そのことは体育だけではなくて、全教科で行う必要があることは明らかです。にもかかわらず、体育科における指導の姿勢は極めて重要です。
本校の体育科の姿勢には敬意を持っております。
体育の授業に加えて、クラブ活動も人間形成に大きな影響を持ちます。それは「気力・体力」だけではなくて、人との接し方、人間関係の結び方を会得するのに大きな作用があります。進学校に於いてこのあたりのバランスの取り方は重要であります。
また、体育は、学校教育の中で、生涯に渡って健康で明るい生活が送れるように、生涯体育の重要性に気付くことも大切であります。
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「人生80年時代の気力・体力」 |
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中学校2年生2組では、今日の授業は、11月からバドミントンと卓球を始めてか
4回目に当たりました。
二学期になって9月と10月は、バスケットボールを学習しました。また、一学期には、ソフトボールとサッカーを学習しました。種目では四種類目になります。ちなみに中学校二年生が一年生の時学習した種目は、縄跳び、器械体操、水泳、バレーボール、サッカー、ソフトボール、バスケットボールの七種目になります。このように多くの種目について、その競技のルールを覚えながら、競技の仕方を学習して行きます。卒業までには、多くの種目について学習することになります。どのような種目について学習するかは、指導要領に示されています。この指導要領で特長的なことを拾ってみますと私は、東京高野連の会長を引き受けていますが、野球はその中に入っておりません。ゴルフも同じです。しかし、ソフトボールや武道は入っています。本校では男子校のためか取り入れてはいませんが、ダンスが入っています。
このような種目などの制約の中で人生80年時代において生きていく原動力になるともいえる「気力・体力」をどのようにして中学校・高等学校のうちに一人ひとりの身に備えることができるか。それが本校の保健体育に関わる先生方の工夫の見せ所になると思います。
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授業の進め方 きびきびとポイントを押さえて |
11月7日中学校二年二組の五時限目の授業は13:05に始まりました。先ず準備体操をしてから、アリーナの高橋先生の前に整列します。出席番号の偶数と奇数に分かれ、偶数番号の生徒はバドミントンをやることが告げられ、奇数番号の生徒は卓球を練習することが告げられ、それぞれラケット球を移動式になっている置き場から選びます。卓球をすることになった生徒は階上のギャラリーに移動するよう指示を受け、そちらに向かいます。残ったバドミントンの生徒には、2人でペアを組み、ラケットを握ってフォアとバックを使いながら1分間の中で何回打つことができるか競います。その指示が終わるまで時間の始まりから5分経過しています。本時は卓球とバドの二つに分かれたまま、練習しましたが、適宜両方が均等に練習できるように時間配分や種目分けを行うとのことでした。
次に高橋先生は、階上に移動している卓球グループの場所に移り、1カ所に集めて、5名ないし6名のグループに分かれ、ダブルスでラリーポイント11点制のルールを説明し、サーブの打ち方のルールやその他のルールを手際よく説明されました。説明の後5,6名のグループで順番に試合をするよう指示されました。卓球の台は4面です。卓球の撃ち合いが実際に始まったのは13:15でした。試合の様子を見ていると、まだぎこちない打ち方が目立つように見受けられました。その後高橋先生は個々の台を回りよりよくプレーできるように指示を出していました。
次にバドミントンの方に回り、13:32ラケットの打ち方、フライト(飛び方)の種類について白版を用いながら説明しました。フライトの種類は@ハイクリアー Aドロップ Bドライブ Cスマッシュ Dヘアピン Eプッシュの6種類であること。それぞれの打ち方、効果について生徒を相手にして模範演技を行って説明しました。その後、13:37からその練習を2人ずつで始めました。それを続けた後、13:41から、バドの生徒を集め、生徒二人を選んで模範演技させながら、ハイクリアを中心に他のフライトを混ぜるようにしながら、ラリーできるように話しました。高橋先生が自ら「腕の振り方」の実演を示した後、13:44から二人ペアで各コートに分かれラリーを行いました。
13:52卓球・バド両方の生徒を集め、整理体操と本時の総括を行い、13:54授業を終了しました。
以上がこの時間の授業の流れですが、分刻みで授業が進められますが、集合・分散が手際よく進められているという印象でした。1年生の時からの訓練で、先生の指示を生徒が聞き漏らすまいと努力している様子がはっきり分かり、皆、指示に従わない行動をすれば、危険や事故を招きやすいことを全員が熟知・理解している様子が読み取れました。中学2年生でこのような状態にまで持ち上げる先生の努力は大変なものであろうと推察しました。
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体育教師から見た海城生 |
ソフトボール・サッカー・バスケットボールと種目的にはかなり生徒の運動能力や協調性そして何よりも体を動かすことが好きか嫌いかが見えてくるものでした。率直な感想とし中学2年生の授業を預かり約6ヶ月観てきた感想は、「かなり能力は低いが皆運動は好きようだ」でした。
人生80年時代を向かえ、健康の保持増進が叫ばれるなか子供たちの体力・運動能力の低下が懸念されています。体育授業を担当するものとしては、授業を通して運動習慣を身につけその中から体を動かす楽しさ、健康維持の必要性を学ばせたいと考えています。与えられたカリキュラムの中で汗を流す爽快感を、そして勝敗に一喜一憂する心の動きを数多く経験して欲しいと思います。しかし、その中で一番注意しなくてはならないのが怪我や事故です。安全に競技を行うためのルールの確認、そのルールは競技者に平等であり安全に行うために最も重要な役割を果たしていることを常に学習し、道具を大切に扱ったり、互いに協力をしてこそ有意義な身体活動が出来ることを学んで欲しいと思います。最近の子供たちは、自分さえよければという行動が多々あると指摘されます。体育授業を通し相手を気遣い、転がっているボールを見て知らん振りをするのではなく、今何をすることがベストなのかを考えられるそのような生徒になって欲しいと思います。
今はなかなか思うように体が動かせない生徒ですが、運動が好きそして体育授業が好きと言える生徒がたくさん育つことにより、心身ともに健康な生徒が巣立っていくと確信しています。
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