中学校3年になって第1回目の実験は旧来から続いているオ−ソドックスな方法による「記録タイマー」と「力学台車」を用いた実験です。力学台車が記録用のテープを引き出しながら、急な斜面と緩やかな斜面・平面の3種の条件の異なる場面を転がします。一方紙テープが出て行く元の部分に記録タイマーが付いています。先ず平面を転がす場合は台車は一定速度で進みます。すると引き出されたテープには一定間隔のドットが整然と並ぶことになります。(図1@参照)次第に速度が落ちることも読み取れます。これは摩擦等の影響です。次に緩斜面を転がすときは加速度が加わることになります。(図2A参照)次、急斜面の場合に進みます。(図1B参照)以上の3つの場合の実験結果を次の時間にグラフ化します。(図2参照)これによって斜面を転がるときには一定の割合で速度が増加することが読み取れることになります。グラフ化することにより、早さと時間のグラフの意味と、加速度という物理量を確認します。
第2回目の実験の時間は、上の実験の斜面が最も急になった場合、つまり垂直になった場合にはどうなるかの実験です。これは落下に当たりますから、加速度は、9.8m/ssであり、これをを求めることになります。「ビースピ」とは、数年前に発売されたおもちゃの一つであります。当時、小学生の間で、バネ仕掛けでビー玉を発射するおもちゃ(ビーダマン)が人気であり、その速さを測る装置として、ハドソンから「ビースピ」が発売されました。理科の教員がこれを中学や高校の物理実験装置として使えるのではないかと注目し、実践の結果、精度も十分であり、簡単な速度測定装置として活用できることが分かりました。「ビーダマン」ブームは下火になりましたが、教材として復活しました。1個1,800円ですが生徒実験に活用しました。
ビースピを使うと金属球が通過したときの速さが瞬時に数字で出ます。生徒にしてみれば、まさにおもちゃのような測定器であり、興味津々です。金属球の落下距離と速さから、グラフの傾き=加速度を求めます。
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