第6回 高等学校1年 総合社会 立川和平・鈴木浩充先生(ティームティーチング) |
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立川和平先生 プロフィール 昭和44年生 高校2年担任 クラブ顧問 弓道部・軽音楽部
プロフィール 昭和46年生 本校講師
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授業の進め方 まんが・アニメを題材に | ||||||||||||
5月9日は上記授業の第3回目に当たっており、「アニメ・まんがのグローバルな、そしてローカルな活躍」と題して行われました。配布プリントは、新聞記事の切り抜き資料がB4判のプリントで5枚にもなりました。 立川先生:「先日の授業は、「日本の観光立国化」で、築地の卸売り市場に外国人が観光に来るということでしたが、今日はアニメ・まんがについてです。」 鈴木先生:「まんがと言えば、私はこの間「まんが喫茶」に4時間いました。」 立川先生:「私は昨日の日曜日、夕方6時から『ちびまる子ちゃん』、6時30分から『サザエさん』を見ました。」「私は幼稚園のころ『マッハGO!GO!』を見てました。小学生のころは『宇宙戦艦ヤマト』にハマってました。」 鈴木先生:「私は『銀河鉄道999』かな。」「その当時、アニメはサブカルチャーとされていました。メインカルチャーはあくまでも文学。でも、今はアニメをサブカルチャーと決めつけられない気がするなー。」 こんな具合に、2人の先生の息の合ったテンポの速い掛け合いで授業が始まりました。 次に、「『千と千尋の神隠し』のアニメ観た人、手を挙げて。」に応えて半数以上の生徒の手が挙がる。すかさず、プリント資料がみんなに渡り、アニメ制作で人物画描写や彩色作業の一部を韓国の業者に依頼し、スケジュール短縮や人手不足をカバーしたという記事のさわりの部分を指名して生徒に読ませた。また、ゲームの『ファイナルファンタジー』は、制作費167億円かけ、東京とハワイ、ロサンゼルスを結んで制作した。その他のアニメも、中国、インドのチェンナイ(かつてのマドラス;ここについては地図帳を出して位置を確認)等々、アジアが工場であり、国際分業が進んでいることを確認。世界で放映されるアニメの6割近くを日本のアニメが占めていること、世界分業体制の中で、日本は原作・企画に特化しつつある一方、中国・韓国・インドは制作部門、アメリカはプロデュース力に優れていることが黒板で説明された。プリント資料から、日本の制作拠点は中央線・西武線沿線にあること、中国のシャンハイでは下請けを脱して自前のアニメ制作が始まっていることが読み取られ、03年からは国策としてアニメ産業支援が始まったことが板書された。(この間、記事の主要部は、指名者を替えながら皆に聞こえるよう音読させながら内容を確認していく。)日本でもコンテンツの振興政策が04年に始まっている。最近、日本の商事会社とアメリカの企業が合弁で事業を立ち上げ、アニメの共同制作を軸にキャラクター商品、ゲームなど近年有望な収益源となっている関連商品の開発販売を行うとの報道記事も紹介された。 このように、今や日本のアニメ・まんがは世界的に広く活躍しているが、そうした一方、「商店街がまんがで活気」を得ているとして、『鉄腕アトム』を活用した高田馬場の例などを紹介する記事を生徒に音読させるなど、資料を次々紹介していった。高田馬場駅の電車発車ベルに『鉄腕アトム』の曲を用いることになった経緯からアニメのローカルな活躍を知って、生徒は納得の様子。 アニメ・まんが産業のこうした目覚ましい動きは、社会的に注目され、アニメやまんがを正面から取り上げた新書本が多数出版されていること、さらに学術レベルでも研究対象になっていることを『経済地理学年報』掲載の論文(半澤誠司氏(東大院生)「東京におけるアニメーション産業集積の構造と変容」)を例に紹介。 授業では最後に、これまでの3回の授業で提示した資料のバリエーション(新聞記事、インターネット記事、新書などの書籍)を再確認し、これら多様な情報源をテーマ発見の手がかりに活用するようにと締めくくりました。 |
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生徒の反応 | ||||||||||||
高校1年3組(中入生) 総合社会の授業では、社会科の教員が各クラス2名で行う「TEAMTEACHING」という特殊の形態をとります。2人も教員がいるので、通常1人の教員では見逃してしまうような点にもフォローがいき、異なる二方向からの理解が望めます。今までこのような「内容」を持つ授業は受けた事がありましたが、このような「形式」を持った授業は受けた事がなかったので、驚きとともに少し不思議な感じがしました。 高校1年3組(高入生) 海城高校に入って最初の総合社会の授業をうけてまず感じた事は「公立中学での総合学習の授業とは全然違うな」ということです。どこが違うのかというと授業を行う先生が2人いるということです。中学の時の総合学習の授業は1人の先生が授業を行っていたので2人の先生が同時に授業を行うというのは初めてで先生が1人よりも2人の方が、より中身の濃い授業になるということを感じました。
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授業風景 担当立川先生・鈴木先生 授業風景・動画 この部分をクリックしてご覧下さい。 jugyou.wmv |