学園ノート アーカイブ

 第二回数学科リレー講座「ガロア生誕200年記念講習会」第四日目

 後半のトップバッターは、数学科主任の春木先生(写真1)です。まずは、編集子の私、春木先生にお詫びせねばなりません。というのも、最後の2日間で方程式の話をしたいので、4日目は、部分群と正規部分群、それと商群の話をお願いします、と依頼したところ、「そりゃ、むちゃですよ!昨日、数字を習い始めたこどもに今日はわり算を教えるようなものですよ…」と困惑されました。それを承知で、「確かにそうかもしれません。が、そこを先生のお力でなんとかお願いします」と半ばゴリ押しで承知いただいた次第。はたして、今日の春木先生は、いつも以上の気迫(写真2)でこの難題に応えてくださいました。
 話は巡回群と対称群のみならず、クラインの四元群、そして二面体群など、豊富な例をご紹介いただいた上で、正規部分群の説明に辿り着かれました(写真3)。
多少スピーディーな授業になりましたが(誰がそうさせたんだ!の声あり)、しかし、生徒に聞いてみると、復習をしてくれたし、演習問題をつけてくれているから大丈夫です、とのこと。どうやら、受講者のやる気は編集子の想像以上のものがあるようです(この熱意には応えねば、との使命感に駆られます)。

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  (写真1)

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 第二回数学科リレー講座「ガロア生誕200年記念講習会」第三日目

本講座の内容としては、今日(24日)で前半終了となります。宮先生(写真1)の登場です。今日は昨日の内容を、後半につなげる、極めて重要なポジションにありました。内容は「群」を実感しよう、というもので、後半で重要な巡回群や対称群について、丁寧な解説がなされました。先生は、ユーモアを交えながら、随所で指名して答えさせたり、演習問題を解かせる(写真2)ことで、活気ある授業となり、目的を十二分に果たされました。置換の積を、アミダくじを用いて説明されたくだりでは、「なるほど、そうなっているのか!」と、感嘆の声が生徒から漏れ聞こえてきたのが印象的でした(写真3)。明日は、ガロア理論を理解するために必須であるものの、理解が難解とされる正規部分群と商群を主たるテーマに授業が行われます。後���もどうぞご期待ください。

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 (写真1)


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 理科・SPP講座「霧ケ峰・諏訪湖のフィールドワーク」3日目

 3日目(24日)は,天気にも恵まれ,湖の穏やかな午前中,諏訪湖で湖沼調査の方法と実習を行いました。今日は,信州大学山地水環境教育センターの先生方に協力をいただき,観測機器の測定方法を説明してもらい,それぞれ船上から実際に実践してみた。これらの観測方法を用いて,湖沼の真ん中(湖心)で,深さごとの水質調査を行ったり,水草帯の船上からの見学も行ったりしました。
 午後は,部によって行動を別にしました。生物部は,信州大学山地水環境教育センターで顕微鏡を使ったプランクトンの計数や同定,クロロフィルやセストンの計測を行い,地学部は諏訪湖周辺の流入河川の水質調査を行いました。
 夜のミーティングでは,それぞれの活動を簡単に共有するため,今日行った概要を部毎に発表してもらいました。今日で霧ケ峰ともお別れです。寂しいですね…。明日は総まとめの講義です。しっかり聴いて帰りましょう。

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湖心での実習(透明度を測る透明板を沈めています)

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 陸上部、徳光会長のスタートをお手伝い

 先日、日本テレビ系列で放映された「24時間テレビ」はご覧になりましたか。今年のチャリティーマラソンでは、海原会(本校OB会)会長の徳光和夫氏がランナーとしてご活躍されました。そのスタート地点の警備を高校陸上競技部の部員たちがお手伝いしていたのにお気づきになったでしょうか。
 きっかけは、高陸部長の渋谷くんが徳光さんに手紙を書いたことでした。4月に今年のランナーが徳光さんだと発表されると、海原会会長の徳光さんの挑戦に何かお手伝いできないかという気持ちと、同じ長距離ランナーとしての応援の気持ちもあったのでしょう、渋谷くんは何度も推敲した手紙を出しました。海城高校陸上競技部として徳光さんの何かお力になれないかと申し出たのです。そして、それを読んでくださった徳光さんから、チャリティーマラソンのスタート地点の警備をお願いできないかとのお話をいただいたのでした。
 当日は有志の17人の部員が集まりました。第1回のチャリティーマラソンからこの企画を支えていらっしゃるという大澤プロデューサーのお話を伺い、何か1つのことを全身全霊かけてやり遂げる、その一生懸命の姿を視聴者に観てもらうことで、視聴者の心に何かを沸き上がらせることができたら、というチャリティーマラソンの趣旨を確認しました。その後、ついに徳光さんが登場し、周囲のTVクルーの人たちに独特な緊張が走りました。とはいえ、徳光さんは非常にリラックスしていらして、部員たちにお手伝いへの感謝の言葉をかけて下さいました。彼らにとってこれから大きな挑戦へと向かう大先輩の姿を目の当たりにできたことは、今後の何よりの励みになっていくのではないでしょうか。

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(徳光会長より感謝のお言葉をいただく部員たち)

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 理科・SPP講座「霧ケ峰・諏訪湖のフィールドワーク」2日目

 2日目(23日)は,朝から強く雨が降っていたため,昨日,教員が撮影した写真を元に,図鑑等を用いて,それぞれ分類と同定を行いながら,少し様子を見ました。雨が弱まってきて,9時半から予定コースを縮小して,車山周辺から霧ケ峰自然保護センターまでを散策しました。途中,基本的な植物の同定を行ったり,地形図と照らし合わせながら地形と植生の関係を考えたたり,沢の水の簡易水質を調べてみたりしてみました。
 午後は,まず霧ケ峰自然保護センターにおいて,職員の方々に「霧ケ峰の自然環境の保全」というテーマで講義をしていただきました。内容は,霧ケ峰の自然に対し,昔の人が生活のための草刈り場として関わってきたことから始まり,現在,保全活動として関わってきている現状まで説明していただきました。その後,野外に出かけ,保全活動の1つの実例として,実際にセンター周辺から車山にあるシカ柵(人間と自然とのかかわりで様々な問題がある柵)を見て回り,実物を前にして,複雑な現状をお話しいただきました。
 2日目の夜のミーティングは,霧ケ峰でのフィールドワークを振り返りました。特に,最終的にまとめる予定の霧ケ峰班が中心となり発表が行われました。見られた植物の写真をパソコンのスライドにまとめ,説明した後,自然と人間の関わりの1つの例として,シカ柵や自然と人間の関係について考える意見がたくさん出ました。

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天候の回復を待ち,植物の分類を復習しました。

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 第二回数学科リレー講座「ガロア生誕200年記念講習会」第二日目

今日は小澤先生がご登場(写真1)。集合記号の用い方から始まり、群の定義にまでおよぶ、実に多岐にわたる内容を扱われました。
消化不良になることが懸念される向きもあるやに思われますが、そこは小澤先生。先生一流のユーモアあるお話、効果的な具体例の提示などで、生徒たちは楽しく授業を受けていました。群の作用の計算演習では、黙々と取り組んでいました(写真2)。演習問題解説の際、ややもすると抽象的に思われかねない群の説明を、親しみやすいものにすべく、ご自著のトレードマークともいうべき「クマ」(写真3)を動かしてお話され、受講者は楽しみながら、群の定義を吸収できたと思われます。明日は、群のうち、とりわけ、対称群について扱われる予定です。

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(写真1)小澤先生

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(写真2)群論の作用の演習

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 理科・SPP講座「霧ケ峰・諏訪湖のフィールドワーク」1日目

 今日(22日)からSPP講座が始まりました。朝,学校を出発し,昼過ぎに八島湿原に到着。霧が濃かったため,バス内で昼食を取り,八島ビジターセンターの展示物を見学しました。13時からは予定通り,八島ビジターセンターの職員の方3名に,ガイドウォークをしていただきました。3班に分かれ,湿原を一周し,湿原や植物についての話,湿原と人とのかかわりなどの話を実物の前で聞きながら歩きました。
 食事と入浴後,一日の内容を振り帰かえるため,自分が印象に残ったことを中心に,全員が集合し,意見交換を行いました。それぞれが感じたことを共有することで,良い振り返りになったのではないでしょうか。


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八島湿原ガイドウォークの様子1


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 第二回数学科リレー講座「ガロア生誕200年記念講習会」第一日目

今日から土曜日までの6日間、「ガロア理論」の概要を理解・納得しようという目論見の本講座が開始されました。
 毎回のリポートをわたくし編集子M(5日目に登場します)がお届け致します。よろしくお付き合いくださいませ。
 初日は平山教頭先生が担当されました。先生が作成されたオリジナルテキスト(写真1)をもと、パワーポイントを利用した講義は、最初の50分でガロアの生きた時代と、彼の生涯の解説が、その後の30分で明日以降の講義の予告を兼ねたガロア理論の概説が、それぞれなされました(写真2)。生徒は熱心に平山先生の話に耳を傾けていました。中には意欲的な中1の姿もあり(写真3)、頼もしい限りです。

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(写真1)

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(写真2)

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 古典芸能部 夏の活動報告その3

1、まずは前回ご報告した内容のうち、ムーラン班の取材中、女優「滝輝江」さんからもたらされました“ムーランルージュが本校で公演した”記憶がおありとの件についてご報告致します。
なにぶん、実に60年以上前のことゆえ、滝さん以外のムーラン関係者が覚えていらっしゃらないのもやむを得ないところですが、かくしゃくとされた滝さんのお話から、班員と編集子は公演が事実であることを確信。本校資料室にて調査に入りました。
しかし、膨大な資料を繰ってみてもその事実を記したものはなく、途方に暮れておりました。
そんな中、昭和21年発行の海城新聞に、執筆者(当時の生徒)のお一人である沖為雄氏のお名前を発見。
かつて同窓会新聞「海原」の編集のお手伝いをした経験のある編集子は、そこでの作業にて、同氏のご盛名を存じあげていたため、ご連絡いたしました。
果たして、沖氏から「確かにムーラン公演はありました。私は観劇しています。それは事実です」というご証言を得ました。
興奮歓喜しつつ、公演時期をお伺いしたところ、「それは覚えていないのです。ただ、暑からず寒からずといった季節でした」とのお話。かてて加えて、偶然にも過日、海城の後輩とその話になりましたよ、とのお話。その後輩氏のお名前をお聞きしたところ、平素より本学へ大変なご尽力を頂いております石川達也氏とのことで、
早速、石川氏へご連絡いたしましたところ、「それは昭和21年です。明日待子さんも来られましたよ」とのこと。
実際、明日さんは22年にはムーランを退団され、映画に転出されているので、21年であることまでは判明しました。
何月でしょうか?との問いに、石川氏は、「残念ながらそこまでは覚えていません」とのことでしたが、沖氏のご証言「暑からず寒からずの時期では?」とお尋ねすると
「となると、春か秋ですね。あっ、そうだ。私達が、ベニスの商人をやったときだ。そうです、そのときです」と想起されました。
「ただ、そのベニスの商人をいつやったかは覚えがないのです」とのお答えでした。
「ムーランが海城に来るというので、それはそれは大変な反響でしてね。空襲で講堂が焼失していたために机で舞台を組んでいました。
私は舞台のそばで観劇していたのですが、役者さんたちは踊りにくそうでしたね」との貴重なご証言も飛び出しました。
「終戦後とはいえ、まだまだ硬派な気質の残る先生もおりましてね。日高先生という教練の先生が、(ムーラン公演を)苦虫を潰したような顔で、腕組みしながら見ていたのが印象に残っています」と続けられました。
時代の証言とはまさにこのことと感じいり、沖、石川両氏に深く感謝しつつ、再び資料室へ戻り探索したところ、幸いにもベニスの商人の公演記録を発見。
それによれば、昭和21年11月1日で、この日は開校記念日。
開校55周年を記念して、「芸能祭」との名称で、戦後初の文化祭が行われ、演劇部が「ベニスの商人」と「父帰る」を公演していることが分かりました。
なるほど、暑からず寒からずの時期に合致してもおり、ゆえに、本校でのムーラン公演は昭和21年11月1日と判明した次第です。
これを滝さんにご報告すると、
「よく日にちまで分かりましたね。私が正式入団して1ヶ月しか経っていない時だったのですね。お役に立ててよかったです。海城学園という名前はとても印象的でしたから覚えていたんです」との感想でした。
映画監督田中重幸氏は、「終戦後間もないこの段階で、ベニスの商人を公演する海城魂に感嘆」され、続けて「沖、石川両氏のご証言はまさにドキュメントである」との感想を述べられました。
それにつけても、記録を書き付けておくことの大切さを実感した次第です。
ところで、「ムーラン招聘は一体誰がしたのか?」についてはいかな沖、石川両氏を以てしても判明しておりません。
これは探求に値するテーマでありましょう。班員と編集子の調査は続きます。ご存知の方はご一報願えれば幸甚です。

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(写真は昭和21年11月の芸能際での「ベニスの商人」の公演予定を報じる海城新聞)

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(ムーラン時の滝輝江さん)

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 理科・2011年度SPP講座「霧ケ峰・諏訪湖のフィールドワーク」

 今年度,理科では,霧ケ峰・諏訪湖において,生物部・地学部の生徒が中心となり,SPP野外実習を行います。SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)とは,大学や博物館等と連携し,児童生徒の科学技術,理科・数学に対する興味・関心と知的探究心等の育成を図る講座の企画を,科学技術振興機構(JST)が募集しているものです(http://spp.jst.go.jp/index.html)。今年度,本校のこの試みが採択されました。
 この実習の目的は,諏訪湖周辺の湿原や湖沼・河川での生物学・地球科学に関するフィールドワークを行い,その自然環境を総合的に捉えること,その中で,生の自然を楽しみ,その自然から科学的な現象を探る方法論や見方,人間生活との関係を学ぶことです。実習に際しては,信州大学信州大学山地水環境教育センター,長野県立霧ケ峰自然保護センター,下諏訪町立八島ビジターセンターの職員の方々にご協力をいただき,講義や調査,巡検などの指導をしていただいています。
 すでに試みは始まっていて,7月28日(木)に,まず第一回の事前指導が行われました。本校の生物科の教員より,本実習の目的やねらい,霧ケ峰および諏訪湖に関する概要に関する話を行った後,生徒それぞれの興味や関心に合わせ,班分けを行いました。
 次回は,8月19日(日)に第2回事前指導が行われ,いよいよ本実習が8月22〜25日となります。また,報告したいと思います。

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今回のフィールドとなる霧ケ峰・諏訪湖のパノラマ写真。左の気の少ない部分が霧ケ峰の八島湿原,右奥の盆地(やや遠いので小さい)になっている部分が諏訪湖です。これらの地域は同じ流域で,互いに関係性を持っており,今回そういうことも感じてほしいです。

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