学園ノート アーカイブ

 「高校生のための数理工学見学会」参加の記

8月10日、本校の高校1年生有志4名が東京大学本郷キャンパスにて行われた「高校生のための数理工学見学会」に参加いたしました(写真1)。
本企画は東京大学および同大学院の先生方、そして博士課程に学ぶ方々が高校生向けに数学の応用例を分かり易く教えてくださるものです。
午前に行われた講義「確率統計で遊ぶ」では、コイン投げによる表裏の出現回数の数え上げ(写真2)や、トランプを利用した数当てゲームを通して、確率理論における計算方法が統計的にどのように適合していくのかを体験。理論値と実験値の比較をすることができ、大変に勉強になりました。
昼食は大学の学食にて。大学に入るのが初めての経験、というこの日の4人にとって、「メニューが多いね」、「広くて人がたくさんいるなぁ」、「外国語が食堂で飛び交っているよ!」などと驚いていました。こんなところにも、否、むしろこういったところから高校と大学の違いに触れるのは意義あることと思われます。なるほど、今般のオープンキャンパスの資料には必ずといってよいほど、学食案内が詳細に書かれているのも納得というものでございましょう。
午後は研究室にお邪魔して4つのテーマで研究見学を行いました。特に印象的だったのが「ビュフォンの針」です。これは円周率算出のための実験のひとつで、今回は針ならぬ、手裏剣を利用。等間隔で張られた紐がどれくらいの頻度で手裏剣と交わるのかを、実際に手裏剣を投げて実験しました。実験値と理論値が近くなり、生徒も満足顔でした。
本企画の参加を通じて、理論のみならず、実学の重要性を考えられたのではないでしょうか。本企画のようなオープンキャンパスに自ら足を運んで大学の雰囲気、そしてなにより、人の生み出す熱気を体感して欲しいと思ってやみません。
最後に、このような素晴らしい企画をご紹介くださり、種々お世話を頂戴いたしました東京都立青山高校の逸見由紀子先生に感謝申し上げます。有難うございました。
(数学科教員)

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(写真1)

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(写真2)

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 古典芸能部「圓朝忌」参加の記

落語を活動の中心に据えている本校古典芸能部。
部の顧問ゆえに内外の方々から質問を受けることが少なくありません。
その中に、「落語の起源はいつなのですか?」があります。
これについては、先代の三遊亭圓楽師匠の談ですが、とお断りしたうえで、安土桃山時代の安楽庵策伝による「醒酔笑」であるとご紹介しております。
戦乱が明けた天下泰平の世には大衆の笑いが求められたことの現れなのでしょう。元禄以降、大衆芸能として完全に定着した落語は、幕末に登場した三遊亭圓朝師(通称「大圓朝」)によって爛熟いたしました。
圓朝師は、いわゆる“言文一致体”を完成させ、二葉亭四迷らに大きな影響を与えた方でもあります。
今日でも演じられ、また落語のみならず芝居にもかけられている「文七元結」、「牡丹燈籠」、「真景累ヶ淵」などは師の創作になります。
なるほど、“落語中興の祖”とされる所以でございましょう。
師は、天保10年旧暦の4月1日(1839年5月13日)のご誕生で、ご逝去は明治33年(1900年)8月11日とのこと。
この御命日を「圓朝忌」として、社団法人落語協会主催によるご法要が毎年、師の菩提寺である谷中全生庵(写真1)にて営まれております。
この日は落語協会会長である柳家小三治師のご挨拶(写真2)と、落語芸術協会会長の桂歌丸師のご挨拶(写真3)がありました。
さて、本年、部員有志により、創部以来初めてこの圓朝忌に参加してまいりました(写真4)。
師のご遺徳を偲ぶ部員たち(写真5)。

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(写真1)

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(写真2)

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(写真3)

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(写真4)

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(写真5)


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 2012夏 生物部磯観察会

 去る8月2日に、海城学園富浦寮前の磯に生きる多様な生物に触れ理解を深めることを目的とし、磯観察会を実施しました。
 猛暑の中、生徒達は集中力を切らさずに数十種の発見をしていました。最後に、採集した生物を動物門ごとに分け、顧問が簡単にそれぞれの種の解説をした上で、磯にリリース。カワハギの幼魚、クサフグ等、ごく一部は学校に持ち帰り、海水水槽で飼育しています。
 今後も部員が磯に興味を持ち、継続的に観察を続けてほしいと思います。

<生物部顧問>

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 生物部 神田川で水生生物観察

 8月1日、高田馬場駅すぐ近くの神田川親水テラスで水生生物の観察を行いました。親水テラスでは新宿区の企画で、夏休みの一定期間、川に入って水生生物などを観察することができます。生物部が調査をしているおとめ山公園の水は、神田川に合流します。そのこともあって、神田川にどのような生物がいるのか興味を持っており、今回の企画は神田川の水生生物を知る絶好のチャンスとなりました。
川の真上には西武新宿線や山手線などのJRの電車が通り、コンクリート三面張りの場所です。そもそも生物がいるのだろうか?と疑問を持つ中での観察となりました。
 コンクリート河川でも窪みなどはあり、その窪みなどに、ヨシノボリの仲間やヌマエビがいたり、ヒルやミズムシ、カゲロウの仲間の幼虫やトビケラの仲間の幼虫も見つかったりました。生徒の反応は様々で、「都会のこうした川でもこんなに生物がいるんだ!」という感想や、「これだけの大きな河川でこれしか生物がいないのか」という感想があがっていました。
 都会の河川で生き物を観察する機会はなかなかないので、貴重な体験となりました。まだまだ都会ならではの自然環境が存在するので、そうした環境も観察していきたいです。
<生物部顧問>
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観察の様子。上には西武新宿線が走っていました。

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 生物部 「北野の谷戸で田んぼ・畑の草取りと林の管理作業」

7月29日、中学生物部の生徒6名で埼玉県所沢市にある北野の谷戸で行われた里山保全活動に参加してきました。6月10日に田植えをした田んぼでの草取りや5月29日に植えたサツマイモ畑の草取りを行いました。苗を植えたり、収穫したりするのは楽しい作業ですが、夏の暑い中での草取りは大変な作業です。今回の作業で、作物を育てることの大変さを実感できたのではないでしょうか。
 続いて、北野の谷戸にある林の管理作業を行いました。この林は、落ち葉を集め、畑や田んぼで使用する肥料を作るための落葉広葉樹の林(雑木林)にするように管理しています。現在では、常緑樹であるシラカシが増え、落葉広葉樹から常緑樹に遷移しつつあるので、シラカシなどの常緑樹の伐採を行っています。今回の作業では、昨年伐採したシラカシの切株からでてきた「萌芽」を枝切りばさみや鎌で切る作業や直径2cm程度の低木をノコギリで伐る作業を行いました。斜面での作業で大変でしたが、黙々と作業をこなしていました。
こうした林の作業も循環型農業をする上では大事な作業です。畑や田での作業だけでなく、林の管理を含めて作業することで、「里山の持続可能な循環のシステム」をしっかりと実感してもらいたいです。
<生物部顧問>
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 生物部 台湾清華大学の学生からインタビューを受ける

 7月18日、トトロの森の保全活動を研究するため来日している台湾清華大学の学生が生物部にインタビューをしに学校まで来てくださいました。
台湾では、最近、初のナショナルトラストが行われ、自然環境の保全が注目されているようです。研究を進める中で、トトロの森で保全活動をしている海城生物部を知り、興味を持ってくださったようです。インタビューでは、トトロの森の保全活動をすることになったきっかけや保全活動の重要性などについて質問を受け、生徒たちは緊張しながらもしっかりと答えていました。
自分たちが行っている保全活動を海外の方が興味を持ってくださることを知り、彼らも良い刺激になったと思います。また、インタビューの後「もっと、伝えたいことがあった!」と言う生徒もいて、海外の方とのコミュニケーションをする能力の重要性を実感したようです。今回のインタビューでは、様々な刺激をいただくことができ、とても良い経験となりました。
<生物部顧問>
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スタディホールにて記念写真。

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インタビューに答える生徒。

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 イギリス研修旅行 第14日目(8月3日)

 本日は日本へ帰国する最終日です。朝8時にモーバンを出発しましたが,その前に生徒とホストファミリーとの名残惜しい送別がありました。ホストファミリーほぼ全員が見送りに来て下さり,ホストマザーのみならず,ホストファザーまで涙ぐんでる方がいらっしゃいました。おそらく日本に帰国してからも,生徒とホストファミリーとの間では手紙やメールなどで交流が続いていくことでしょう。ホストファミリーの姿を後ろにして,モーバン・ヒルを目に焼きつけ,コーチに乗ること約2時間,大学の街オックスフォードに立ち寄りました。一般にオックスフォード大学と呼ばれていますが,それはこの街にある40余りのカレッジをまとめて呼んだ総称で,私たちはその中で最も有名なクライスト・チャーチを見学しました。国王ヘンリ8世が教会を中心にカレッジとしただけあって,ウスター大聖堂と同じく美しいステンドグラスのある大聖堂がありましたが,生徒たちが最も関心を寄せたのは映画『ハリー・ポッター』シリーズの撮影で使われたダイニング・ルームでした。次いで入り口前にあったアリス・ショップでした(『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルはこのカレッジで教えていました)。生徒たちは昼食をとったあと,街の中を散策したり,お土産物を買ったりして自由時間を過ごしました。平日だというのに,古く趣のある建物が並んでいる街にはたくさんの人が行き交い(ここでも日本人を見かけました),バース同様,イギリス有数の観光地であることを実感しました。予定通りにロンドンのヒースロー空港を飛び立ち,約11時間後,成田国際空港に帰着しました。ロンドン見学日を除いて,全体的に涼しかったイギリスで過ごした私たちにとって,猛暑日と熱帯夜が続く日本の夏はややうんざりとします。今回の研修に参加した生徒・引率教諭全員,誰一人病気やケガをせず,無事に終えることができました。最後に,研修に関わったすべて方々にお礼を申し上げて,今年のイギリス研修報告を終わらせていただきます。(研修引率教諭)


(生徒と見送りにきたホストファミリーとの記念撮影)


(見送るホストファミリーの様子)


(オックスフォードのクライスト・チャーチでの記念撮影)


(クライスト・チャーチ内の様子)

 地学部 地学教育学会2日目(ジュニアセッション参加)

 8月3日(金)から4日(土)にかけて,地学部の代表生徒2人が,岩手大学で行われた地学教育学会岩手大会のジュニアセッションで発表しました。
 このセッションは,高校生以下の生徒・児童が地球に関することについて,観察・観測,実験など研究したことを発表できる場です。発表では,地学関係の先生や研究者が集まる中,普段の研究内容をしっかり発表し,アドバイスなども多く受けることが出来ました。研究した事をきちんとまとめて外部へ発表するという科学の大切なプロセスを経験できたのではないでしょうか。大学生レベルの事かもしれませんが,この経験を生かし,さらに研究に取り組んでほしいと思います。
 また,今回の地学教育学会が岩手大学で行われるのは,大会テーマである「東日本大震災から地学教育は何を学ぶか」にも関わっています。生徒には,記念講演「平成の大津波と復興の課題」も聴いてもらい,震災についても考えてもらいました。


・地学教育学会ジュニアセッション発表内容
「都市部に現存する湧水の水質・流量の長期モニタリング」
○小野寺 祐樹,瀧下 恒星,片山 健太郎,清水 彬光,鈴木 智仁
「南沢湧水群・落合川における水質の季節変化」
○片山 健太郎,瀧下 恒星,小野寺 祐樹,清水 彬光,鈴木 智仁
地学教育学会HP
http://www.ichinomiya-h.aichi-c.ed.jp/index.html
地学教育学会岩手大会HP
http://www.ichinomiya-h.aichi-c.ed.jp/ssh/icoassh.html

                   地学部顧問


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学会の会場となった岩手大学での記念写真

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 地学部 地学教育学会1日目(龍泉洞見学)

 8月3日(金)から4日(土)にかけて,地学部の代表生徒2人が,岩手大学で行われた地学教育学会岩手大会のジュニアセッションで発表しました。
 1日目は,せっかく岩手県まで来たので,有名な龍泉洞を見学しました。龍泉洞は,雨水などで石灰岩が溶かされできた鍾乳洞で,日本三大鍾乳洞に数えられます。洞内にすむコウモリとともに国の天然記念物に指定されています。奥から湧き出す湧水はいくつかの地底湖を作り,公開されている第三地底湖は水深98mで世界有数の透明度を誇っている。洞口からは1100〜1500リットル/秒もの地下水が湧き,岩泉町の水道として利用されています。自然の雄大さも感じたでしょうか。
 夜は,明日の発表に向けて,ホテルで練習と確認をしました。

地学部顧問

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龍泉洞の第一地底湖(水深35m)

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 山岳部 雲取山 山行 

 7月15〜16日の1泊2日で東京都最高峰であり日本百名山でもある雲取山(2017m)に登ってきました。今年の山岳部は高校1年生が多く入部したこともあり生徒は26名で、顧問4名、OB2名の計32名の大パーティでの登山となりました。
 1日目は奥多摩駅から鴨沢までバスで行き、お祭から後山林道を通って三條の湯まで歩き1泊しました。高校1年生は初めての宿泊で、食事の準備など、戸惑う部分もありましたが、4名の高校2年生の指導を受けながら無事に宿泊をすることができました。
 2日目は三條の湯から水無尾根を通って三条ダルミまで行き、山頂までの急登を登り、雲取山山頂まで行きました。宿泊のための重い荷物を背負い急な登りということもあり、遅れてしまう生徒もいましたが、全員無事に登頂することができました。 山頂は快晴で都内や富士山もばっちり見ることができました!
 下山は奥多摩小屋から七ッ石山から堂所を通り鴨沢に下山しました。好天であり、景色は良かったのですが、酷暑で、水の大切さを実感する登山となりました。30名もの大パーティでの登山は初めてであり、様々な課題を認識することができました。8月には夏合宿で北岳に登ってきます。今回の課題を克服して、良い合宿にしましょう。
〈山岳部顧問〉


雲取山山頂にて。後ろに見える高い山は富士山。

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