希望者が非常に多い中、抽選に当たった中学2年生28名が理化学研究所を訪れました。
展示事務棟に集合した生徒は、理化学研究所が日本初の自然科学の総合研究所として創立してから現在に至るまでの概要や沿革のお話を聴講しました。物理・化学・生物・医学・工学を専門とする3000人を超えるスタッフが専門を越えてディスカッションしあっていること、ディスカッションは全て英語であることなどから、好きな教科1つだけを勉強していても最先端の研究には適応できないことが感じられたのではないでしょうか。
その後、生徒は各自が希望した「生化学班」もしくは「物理班」の2グループに分かれ、各分野の最先端の実験室を訪問しました。
「生化学班」では味覚の一つである「甘さ」についての講義を聴いてから、実際に甘い化学物質をなめるという体験がありました。ショ糖(砂糖の主成分)に比べて甘さが300倍の「サッカリン」や,650倍の「スクラロース」をなめましたが、甘いと苦いが混ざったような不思議な味覚でした。
「物理班」では宇宙・エネルギー・インフラ・農業・医療・環境など様々な研究においてレーザーが使われていることを講義してもらいました。老眼診断や上空の気温調査など、身近にも活かされている最新の研究の紹介に生徒たちは興味を惹かれていました。その後、レーザーの実物を見せてもらい、光学台の上に広がる多数のミラーから実験の精密さを感じることができたと思います。
各分野での見学を終えた生徒は情報基盤センターに集合し、4DシアターおよびスーパーコンピューターHOKUSAIの見学をしました。
4Dシアターではスーパーコンピューターによってシミュレーションを行った車の空気の流れの様子、心臓が血を体に循環させる様子を3Dメガネを使って観ました。心臓の手術の前にシミュレーションをして安全を確認する時代が近いという話には多くの生徒が目を輝かせていました。
HOKUSAIでは部屋1面に設置された巨大コンピューター群に圧倒され、「メモリ:1TB」といった見慣れない数値に驚かされました。
最先端の研究に触れたこの経験はいい刺激になったに違いありません。今回見学に行った生徒諸君の中から科学界を引っ張っていくような人が出てくれればと願っています。
3月にも同様の見学会(見学する研究室は変わると思います。)を行う予定ですので、今回残念ながら抽選に外れてしまった生徒諸君はその際にも是非申し込んでみてください。(定期的に行われる「一般公開」に足を運ぶのも1つの手です。)
生化学分野の講習の様子
サッカリンを配られる生徒
物理分野の講習の様子
サイクロトロンの前で集合写真