理科 地学部 「ちきゅう」特別見学会参加
11月23日、地学部は横浜港本牧ふ頭で地球深部探査船「ちきゅう」の特別見学会に参加しました。就航10周年を迎えた「ちきゅう」は国際深海科学掘削計画の旗艦として巨大地震・津波のメカニズム解明、地下生命圏の解明、海底資源生成環境の解明など様々な課題に取り組んでおり、今後は世界初のマントル到達も視野に入れる、まさに地球科学の最前線といえる船です。船長をはじめ、そこで実際に働いている人たちから、実物を見ながらじかにお話を聞くことができ、刺激の多い非常に貴重な経験となりました。将来何らかの形でこのような研究活動にかかわる人材が出てくれることを期待しています。
船長から航海に関する技術やシステムのお話を伺いました。風、波、潮汐の向きや大きさなどを自動的に計算し、船を一定の位置にとどまらせておく仕組みがあり、誤差1m程度という高精度で運用できているということでした。
こちらは掘削技術についてのお話を伺っているところです。船と掘削孔との間をライザー管という管でつなぎ、その中をドリルパイプを通し、泥水を循環させながら掘削を行います。このようなライザー掘削技術を科学調査船として初めて採用し、これまでになしえなかった深さまでの掘削を可能にているそうです。
こちらがライザーパイプです。2500mの水深から掘削を始められるそうで、2500m分のライザーパイプを積み込むことになります。このほかに、実際に地層を掘削をするドリルパイプ、掘削した穴が崩れないように保護するケーシングパイプがあります。
海底から採取したコア試料を分析・研究する区画の見学です。コア試料ははじめにCTスキャンをとり、その後2つにカットされ、分析されます。ここではコアの精巧な模型などを見ながら、これまでの主な研究結果を説明していただきました。
研究を支えている技術やそこで働く人々の思いを垣間見ることができたとても興味深い見学会となりました。