8月9日、地学部は神奈川県三浦市の城ケ島に巡検に行きました。島は海食台でできており、大変きれいな地層が露出しています。断層や褶曲のほか様々な地質構造が見られ「日本の地質百選」にも選ばれている場所です。猛暑日で過酷な環境ではありましたが、風光明媚な城ケ島の成り立ちや地史に思いをはせながら、汗を滴らせて地層の走向と傾斜を測ってきました。
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海食洞門である「馬の背洞門」の前で集合写真。大正関東地震で土地が隆起する前は、小舟が通過できたそうです
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亀の子島のコンボリュートラミナ。未固結の堆積物から急激に脱水が起こったことを示しており、脱水が上方へ起こることから、地層の上下判定に使うことができます。この地層は上下が逆転しています
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赤羽根海岸。ウミウの生息地として有名です。関東ローム層が露出しています
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こちらの断層では、油壺層と初声層が接しています
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このように、城ケ島ではいくつもの小断層を観察できます
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クリノメーターを使ってたくさんの走向・傾斜をはかりました
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白い凝灰岩層に見られる火炎構造。炎がゆらめいているような断面をしています。未固結の堆積物の上に砂層が堆積し、その荷重で砂が下に沈み込んでできたものです