コミュニケーション授業 発表会2
昨年度中学3年生で実施した「コミュニケーション授業」。今回は富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督・東京デスロック主宰の多田淳之介さんが担当された、3クラスの発表会の様子をご報告します。
この3クラスは発表会までの授業の中で、修学旅行で撮影してきた写真の前後1分の物語を班ごとに創作しました。(タグづけされている過去の記事をご参照ください)発表会では、プロジェクターによってスクリーンに映し出された写真の前で、班ごとに自分たちの作品を発表しました。
発表会を終えた生徒の感想を引用します。
「1枚の写真から2分間の演劇を創るという作業も難しかったし、それを周りの人々に伝えるということもとても難しかった。やり遂げてとても嬉しかった。」
「人と自分の意見を共有していくことの難しさを痛感した。」
「自分の頭の中にあることを相手に伝えることの難しさ。価値観、ものに対するイメージが一人一人違っていて、それ自体が面白かったし、どうすり合わせていくのかということが勉強になった。」
感想からは、他人に何かを伝えることの難しさとそれが伝わった時の喜びを体験的に理解できたこと。価値観の異なる他者を認めること、その価値観をすり合わせていくことに意識的になっていたこと。そして、その違いを楽しめたということが伝わってきます。
多田さんは発表会の終わりに次のようなことをお話くださいました。
「今は友達と毎日一緒に生活していて、お互いのことを分かり合っているので、楽しく話ができるのですが、大人になると友達ではない、全く知らないような人と話をしたり協力したりする必要が出てきます。そういう人たち相手にどうしたら自分の想いを伝えられるのか、どうしたら相手の伝えたいことを理解することができるのか、このような時にコミュニケーションということが初めて問題になってくるのかもしれません。そういう将来のために、今回のような活動が役に立つことがあるかも知れません。」
そしてこう付け足されました。
「まあ、今日はどの発表も面白かったです。びっくりしました。」
多田さんがおっしゃって下さったように、どの班の作品も様々な工夫がされていて、とても面白く鑑賞することができました。このような作品を創り発表する過程で、価値観の異なる他者とイメージを共有することや、コミュニケーションをとることを体験的に理解することができたのではないかと個人的には考えています。また、第一線で活躍されている芸術家と出会い、修学旅行の思い出をふりかえりながら、表現活動を楽しむことができたことにも大きな意義があったように考えています。
最後になりましたが、お忙しい中本校で授業を行っていただいた多田淳之介さんやアシスタントの方々に心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。