地学部 静岡・河津巡検
地学部地質班は28日、静岡県の河津にモルデン沸石をはじめとする鉱物を採集しに行きました。菖蒲沢に隣接する海岸(通称「やんだ」)は過去の海底火山の噴出物によってできており、安山岩質の角礫岩の中に沸石や方解石、玉髄などの結晶が見られます。また、枕状溶岩、玉ねぎ状風化、柱状節理などといった火山岩に特徴的な構造を観察することもできます。
今回の巡検は、この3月で卒業する元地学部の高3生が「後輩たちを案内したい」と言ってくれて企画したものです。彼は小6の時に初めて同地を訪れたということで、さすがに、採集する鉱物の質、量ともに他の部員を圧倒するものでした。後輩たちは、先輩からいろいろと学べたでしょうか?
今後も卒業した先輩たちが、後輩を指導してくれる場が増えていってくれれば、部としての活動にも幅が出て、部の継続的な発展に大きく寄与してくれるものと思います。卒業したあとも気にかけてもらえるような部にしていきたいものです。
採集風景
採集地へ向かう道で。河津は「カワヅザクラ」がよく知られていますが、これは早咲きの桜として有名で、今年は例年より10日遅い3月4日に満開になったようです。この日はもうすっかり葉桜になってしまっていましたが、かろうじて残っていた一輪を撮ってみました。
たまねぎ状風化。たまねぎのの皮のように風化が進み、内部は球状に母岩が残っています
このような形で、青緑色のセラドン石という雲母グループの鉱物のまわりを掘っていくと、輝沸石やモルデン沸石などが見つかります
当地で最も有名な鉱物である毛状〜針状のモルデン沸石の数々です。水に触れると、濡れた髪の毛のようになって戻らなくなってしまう繊細な鉱物でもあります。