古典芸能部だより
2・3月の課外活動をご報告します。
1.百人町児童館定期落語会(2回目)
2月20日、百人町児童館にて第二回目の定期落語会を開催させていただきました。
この日は、部員によるミニ寄席のあと、初の試みとなる「子ども落語教室」を開催。各グループに分かれ、「子ほめ」をテキストとして、最後に参加者一同で噺を作り上げました。
小学生の皆さんの意欲と屈託のなさに、一同、実に爽快な気分で楽しませて頂きました。
次回は、寄席に加えて、「色物教室」なども予定されており、バリエーションは増える一方です。
多大なご協力を頂いております、児童館スタッフの皆様に心よりお礼申し上げます。
2.芝学園との合同落語会開催
続いて、3月9日には、品川の荏原文化センター祭りの一環として、当部と交流会をもつ芝学園と共に、出前寄席を開催いたしました(写真)。
開演前に二校でセンター前へ呼び込みを行いました。芝学園さんの法被を着て呼び込みをする本校の海原亭翔太郎の姿もあり、その甲斐もあってか、開演後はお客さんの入りも上々のなかでのスタートでした。
前座の小噺に始まり、お馴染みの道具屋、寿限無と続き、色物(漫才)を経て、後半は反対俥、芝学園部長の粗志さんによる金明竹、そして当部の部長である海原亭創雲の蒟蒻問答が主任(トリ)を務めました。
関係者の皆様のおかげで、終始和やかなムードの中、お客様にも満足いただけたようす。有難うございました。
これが三校連合(海城・芝・浦和。今回、浦和高校は都合により欠席)の活動第2弾となり、初の外部共同事業ということで、「次回以降の活動にも幅が出来ました」とは部員一同の弁です。
3.能楽稽古鑑賞
表参道の銕仙会(てっせんかい)能楽研修所にて、本校音楽科の鈴木先生がご自身の能のお稽古を公開してくださるとのことで、見学に伺いました。
中に入ると、テレビや授業で見たことのある能の舞台と客席が出現し、圧倒されました。生徒たちは正面に陣取り鑑賞させていただきました。
この日、鈴木先生が稽古なさった演目は「隅田川」。銕仙会の方に頂戴した資料を引用すれば「旅路の果てに、我が子の死を知る母の悲しみ」が主題の演目です。
およそ1時間に及ぶ稽古は、鈴木先生と師範の方による二人で行われ、しじまのなかに時折聞こえる、お二人の台詞の声、台を叩く音、足踏みの音。
伝統芸能が持ちうる厳かさを体感致しました。
見学に参加した生徒会長でもある菅野泰史君は、「とても『重い』話でした。親子の別れの悲しみを、心から表現されているように感じました。事前にいただいた粗筋のお陰で、話に付いていくことも出来ました。お稽古をこんなに間近で鑑賞出来る機会は普通ないと思います。貴重な機会をくださってありがとうございました」との感想を述べました。
また、徳田俊介君は、「生まれて初めて生の能を体験できました。演目の内容(粗筋)と演じられている能の場面を頭の中で合わせる作業が一部大変でしたが、幼子の梅若丸が自分の素性(吉田何某の子だ…など)を伝える場面では鈴木先生と師範の方のお声に、鬼気迫るものを感じました」との感想を寄せました。
一同、今後も折に触れて能に触れていこうと強く思いました。
鈴木先生を始め、銕仙会の皆様、貴重な経験をさせて頂きありがとうございました。
(古典芸能部顧問)