理科・地学部 日原鍾乳洞・奥多摩鉱山巡検
地学部は、1月9日(火)に東京都奥多摩の日原鍾乳洞と奥多摩駅周辺マンガン鉱山の巡検を行いました。地学部では1年前にも同地を訪れています。特に日原鍾乳洞の様子は、そのときの海城プレスhttp://www.kaijo-academy.jp/_press/2011/12/post_359.html
に詳しく記されているので、そちらも合わせてご覧ください。今回は前回紹介しなかった部分を中心にまとめてみます。
奥多摩の山々をつくる岩石は、主に中生代にできたと考えられている秩父古生層のものが多く、石灰岩、チャート、粘板岩、砂岩などからできています。この石灰岩が化学的風化作用を受けてできているのが鍾乳洞であり、しばしばチャートの中に、チャートの層理に平行に発達しているのが層状マンガン鉱床です。現在はほとんど廃坑になっていますが、廃坑跡のズリ石(廃石)からいろいろなマンガン鉱物を採集・観察することができます。
はじめに訪れた日原鍾乳洞は、日原川が険しく切り込んだ渓谷の中にあります。
洞内はアップダウンが激しく、狭い通路もありなかなか大変です。こちらは最もひらけている阿弥陀の原の様子。
洞内にはいたるところに断層があり、そのうちのいくつかについて、持ってきたクリノメーターを使って走向傾斜を測定しました。
崩落岩塊と言われる、断層によって引きちぎられ崩れ落ちた岩が多数みられます。
次に行ったのがマンガン鉱山です。マンガン鉱物は比重が大きく、また、酸化されて真っ黒になっているのが特徴。黒い石を探してはハンマーでたたき割っていきます。
菱マンガン鉱。マンガンの炭酸塩鉱物で、淡桃色で塊状に産出します。
カリオピライト(べメント石)。かつてこの鉱山の主要鉱石でした。
ハウスマン鉱(茶色の部分)の中に小さく緑マンガン鉱が見えます。わかりますか?数日で酸化され、変色してしまいます。この辺りではかなり珍しいようです。(クリックして拡大)