清真学園SSH発表会訪問の記
先週のYSFHさんに続き、SSH数学ツアーの2週目として17日(土)に、茨城県の私立清真学園さんを訪問いたしました。先週同様、編集子が8月のマスフェスタで知己を得た同校高2の井上滉士さんを介した訪問で、井上さんの担当教員である法貴先生ならびに、数学科主任の大津先生に御尽力賜りました。
この日は丁度、動向のSSHの中間発表会(写真1)で、大学の先生方も審査員として多数来校されていました。開始が九時半ゆえ、本校生徒の参加が叶わず、編集子ひとりでの訪問となりました。
この発表会、実に23ものポスターセッションから構成され、限られた時間では残念ながら全てを回ることができませんでした。ここでは数学部門のみご紹介致します。
まずは、旧知の井上さんの曜日算出の計算式(写真2。これは井上さんが独自に導出されたもので、この方面で有名なツェラーの公式を拡張した素晴らしいもの)を筆頭に、小橋亮介さんと安藤泰斗さんは「フラクタル」について(写真3)、赤井章吾さんは「統計的確率と数学的確率」について(写真4)、江藤耀一さんと岡野春咲さんは「角の3等分線」について(写真5)、水口翔太さんは「グーテンベルクリヒター則」について、平山統万さん、三浦優介さん、男澤雛子さんの三人は「アルキメデスによる球の体積計算」についての総合報告を、それぞれ詳細に編集子へ解説くださいました。いずれ劣らぬ力作で、とりわけ、「非負整数以外の次元」(フラクタル)、「折り紙で考える3次方程式の解法」(角の3等分線)については早速、海城の教室で紹介したく思います。後者については、「海城の皆さんのお役に立てば幸いです」と、詳細な資料をお送りくださいました。有難いことです。
発表後、今日の総覧役を務められた土子明日香さんを交えて、生徒の皆さんと懇談する場を設けて頂き、研究のきっかけや日頃のSSH授業のことなど、貴重なお話を伺うことができ、記念写真を撮影(写真6)し散会しました。
その後は大津、法貴両先生より数学教育のあれこれについて意気投合すると同時に、種々の有益なアドバイスを頂戴し、今後の交流を約して鹿島神宮駅を後にしました。
大津、法貴両先生、SSH数学班の生徒の皆さん、本日は大変に有難うございました。
最後に、本稿をご覧の皆さんにクイズ(?!)を出題します。あるコインを100回投げて、表が38回、裏が62回でたといいます。さて、このコインは故意に細工されたものと言えるでしょうか、言えないでしょうか?
細工されていないなら表と裏が50回前後ずつでるはずですが,38回というのは果たして“許容範囲”か否か、ということです。微妙な数字ですね。
正解は、確率的には「細工されたものである疑いが極めて濃い」となります。実は、表が39回以下だと細工の疑いが極めて濃いのです。これは赤井さんの発表から教わりました。興味ある皆さんは理由を考えてみては如何でしょうか。
(数学科教諭)