第4回コアSSH「数学」 マス・フェスタ 追記
8月27日付の本プレスの記事にて,本校高1の恩田、増田両君が参加した「第4回マス・フェスタ」の模様をリポートいたしました。
文中、そこで知り合った岐阜県立岐山高校3年の柳原合さんや、
横浜サイエンスフロンティア高校2年の増田卓斗さんが、今後、ご自身の研究について編集子の私へ連絡を下さる予定、
と記しました。
果たして、お二人から詳細な研究リポートが届きましたので概要をご紹介します。
お二人の研究成果を本校の数学の授業で紹介し、その素晴らしさを共有したく思います。
ご両所の熱心さとご親切に心より感謝します。
1.柳原氏(写真1)の研究は「円周率の新しい算出法」です。
円周率の計算方法は、“ビュフォンの針”などいくつかの方法が知られていますが、
氏の研究は、多角形の格子点と面積を関連付けた公式のひとつである「ピックの定理」を用いて
円周率を算出するもの(写真2)です。
近似の精度も良く(写真3)、さらに良い精度がでる工夫もすでにお持ちのようで誠に素晴らしい限りです。
東京と岐阜は決して近くはありませんが、研究深化の際は是非また直接お聞きしたいものです。
2.増田氏(写真4)の研究は「ウラムの螺旋」(写真5)上の三角数が描く図形が双曲線をなし、
これがいわゆる「ペルの方程式」に関連することを示したもの(写真6)です。
この発見をしたときの同氏の驚きと喜びはいかばかりだったことでしょうか。
また、三角数以外の「由緒正しき数列」を考えるとどのような曲線が出現するか注目したいところです。
増田さんのご指導を担当されていらっしゃる同校(YSFHと略称されるとのこと)の高口健一先生からも
ご連絡を頂戴し、近々、編集子が同校へ表敬訪問をさせていただく運びとなりました。今から楽しみでなりません。
増田さんの研究を媒介として、両校数学科に友好の灯が点ることでございましょう。有難いことです。
ともあれ、あの超難問とされる「ABC予想」が日本人研究者・望月教授によって解決された可能性大である、
との驚愕すべき話題が湧き出したこのところの数学界。
その熱気を少しでも本校の教室に呼び込みたいと考えてやみません。
(数学科教諭)