ここまで、B先生と内容がかぶらないように工夫してきたけれど、今日はもうしょうがない。
とうとう別れの朝が来た。
体育館に集まって最後の時間を共有する。
生徒の荷物を積み込むバスは、駐車場から坂を登ったところに停めてあった。何枚か写真を撮っていると、その坂を、あるホストファミリーのお母さんが、重そうなスーツケースを押しながら登っていくのに気がつく。
慌てて近寄り手伝おうとすると、彼女はこう言うのだ。
「私の息子のだから」
セントジョーンズベリーに新しい家族を残し、バスはボストンに移動する。
〈引率教員A〉