第二回数学科リレー講座「ガロア生誕200年記念講習会」第三日目
本講座の内容としては、今日(24日)で前半終了となります。宮先生(写真1)の登場です。今日は昨日の内容を、後半につなげる、極めて重要なポジションにありました。内容は「群」を実感しよう、というもので、後半で重要な巡回群や対称群について、丁寧な解説がなされました。先生は、ユーモアを交えながら、随所で指名して答えさせたり、演習問題を解かせる(写真2)ことで、活気ある授業となり、目的を十二分に果たされました。置換の積を、アミダくじを用いて説明されたくだりでは、「なるほど、そうなっているのか!」と、感嘆の声が生徒から漏れ聞こえてきたのが印象的でした(写真3)。明日は、ガロア理論を理解するために必須であるものの、理解が難解とされる正規部分群と商群を主たるテーマに授業が行われます。後���もどうぞご期待ください。
(写真1)
(写真2)
(写真3)
【受講者の声】(妹尾共晃君)始めの方は、群というものを、そういったものなのかぐらいにしかとらえていませんでしたが、群がどういったものかを分かりやすく解説してもらい感動しました。そのため、さらにこの授業と数学に興味が沸きました。明日の授業も楽しみです。
【受講者の声】(二宮祐樹君) 今日の講義では具体的な群の考え方、まず対称群について学びました。ミカンやブドウが数字に置き換わり、パズルのように並べ替えると定義した積が表れるところはとても楽しく理解できました。巡回群では回転を数字で表し、正2面体群では裏返る動きを数字で表すところが面白いと思いました。
とてもわかりやすく、今日の内容はすっと頭にはいってきました。偉大なるガロアの理論にこれでほんの少し近づけたかと思うと(ほんとうに近づいているのでしょうか?)うれしいです。
明日から更に難しい内容になりそうなので、頑張ってついて行きたいと思います。
宮先生の図解(くだもの)は芸術的で感動(?)しました。
【講義を終えて】(宮先生) 3日目の講習は2日目で定義した群の具体例を挙げるというものでした。とりわけ、今後必要になってくる対称群と巡回群を中心に話をしていきました。
群というなじみのない概念に触れているわけですから、今日の講習ではできるだけ作業をさせながら、無理のない範囲で話をしていくように努めました。
初めは果物の並べかえから話をしていき、徐々に数学の話をしていくようにしました。
巡回群では正三角形を回転させることを例にし、この話から部分群の話、正2面体群の話をしていきました。
80分という限られた時間の中で、対称群、巡回群、部分群、正2面体群の話を盛り込むのはなかなか大変で、伝えきれなかったことも多々ありましたが、それでも生徒が一生懸命に聞いてくれたおかげで、なんとか時間内に終えることができました。
難しい概念を平易な言葉で誤解がないように伝えることの難しさを、また、代数を専門としていなかった私にとっては、数学の奥深さを改めて教えてもらえる講習となりました。
生徒もそうだとは思いますが、私にとっても大変勉強になりました。貴重な講習をさせてもらえたことに深く感謝しています。
(編集子M)