吉見変成岩を見る
3月30日、地学同好会は、埼玉県比企郡と東松山市の境に位置する吉見丘陵へ出かけました。吉見丘陵では、先日、同好会で訪れた長瀞で見た変成岩という岩石が見られます。しかし、ここの変成岩は、関東山地一帯に見られる他の変成岩とは少し違っているのです。吉見丘陵では、観察によい露頭(崖などのように岩石が地表に露出したところ)が少ないなどの理由から、不明な点が多い地域でした。最近、詳細に岩石を調べる(例えば、岩石薄くして顕微鏡で観察する)ことによって、その岩石が受けてきた歴史が明らかになってきたのです。
実は、今回、それを研究テーマとしている知り合いの大学院生に案内をお願いしました。典型的な岩石を見ることはとても大切です。でも、その一方で、一見、よくわからない地域でも、丁寧に自然を調べていけば、見えてくるものがあるということを語りかけてもらい、それを感じ取ってもらうことをねらいました。生徒は、生の研究者と一緒に吉見丘陵を歩き、露頭で詳細な説明を受け、熱心に聞き入っていました。最後は、この変成岩に産出する「沸石」という鉱物採集にも挑戦し、よい機会になったかなと感じました。